「なんで反省?」朝青龍 万全とは…
2008.5.12 22:29
初日が出て笑顔の朝青龍=両国国技館(千村安雄撮影) 朝青龍が下手ひねりで把瑠都を宙に
浮かせ、裏返しにして土俵にたたきつける。「持ち上げられたことなんて今までにないよ」
と197センチ、175キロの巨漢を驚かせる一番で黒星発進のショックを払拭(
ふっしょく)。支度部屋では安堵(あんど)の笑みが広がった。
「胸を合わせたらとんでもない力を出すから」と警戒していたように、真っ向勝負を
避けて立ち合いで右にかわす。左下手をひいてまずは内無双。不発に終わると、右上手も
取り下手ひねりを繰り出した。朝青龍らしい連続技である。
言葉少なだった前日とは一転、取り口を解説する口調も滑らか。「うまく中に入り、焦らず
攻めたのがよかった」と自画自賛。勝敗が決した場面は「相手の足がそろったので何とか
しようと思った」。勝負勘もさえた。
しかし、テーピングが巻かれた左ふくらはぎに加え、腰にも違和感が生じている。前夜は
旧知のトレーナーを自宅に招いてマッサージを受け、腰への負担を減らすためにベッドも
硬くした。故障と無縁だった数年前の絶対性は揺らいでいる。
初日の反省点を問われると「何で反省しなくちゃいけないんだよ。きのうはきのうでいい
じゃないか」。ぶっきらぼうな言葉は、不安の表れと取れなくもない。連敗を免れたとはいえ、
心身ともに万全とは言い難い。厳しい土俵が待つ。(奥山次郎)
http://sankei.jp.msn.com/sports/martialarts/080512/mrt0805122234002-n1.htm