相模原市の自治会が、加入率低下にあえいでいる。転入する世帯が増える一方、地域とのつながりを求めない
市民意識の変化が背景にあるとみられ、昨年四月の加入率はピーク時より20ポイント以上低い62・6%にまで
落ち込んだ。自治会組織を「市政運営の重要なパートナー」と位置付ける市側は、市自治会連合会と連携した
加入率向上策に乗り出している。
同市内には計五百九十六の単位自治会があり、昨年四月現在、計約十八万世帯が加入する。加入世帯数は
人口増に伴い増えているが、加入率は右肩下がりに減少。旧市域では一九八〇年の86・9%をピークに下降し
続けている。
合併した旧津久井四町に比べ、旧市域の低さは顕著だ。昨年四月の加入率は旧四町の78・8%に対し、61・0%。
中でも小田急江ノ島線東林間駅周辺の「東林地区」は51・9%と最も低い。
人口増が続く周辺自治体はどうか。昨年四月現在で横浜市は79・4%、大和市で75・2%、川崎市でも69・2と、
相模原市の低さが目立つ。市市民協働推進課は「宅地開発が続いていたり、賃貸住宅が多い地域で加入率が
低い」と分析する。
市内の自治会を統括する市自治会連合会の細谷昇会長は「自治会は住みよい地域づくりの基盤」と強調する。
防災や防犯、清掃など多岐にわたる活動を「地域全体で行える唯一の組織」と認識するからだ。
だが「近隣との関係を求めない世帯が増えてきた」と細谷会長。加入率の低下が地域活動の停滞につながるとの
危機感が強いが、加入しなくても行政サービスに差がないことや、役員の煩雑さなどから敬遠されているのが実態という。
自治会組織を行政のパートナーとしてこれまで以上に重視する相模原市はことし三月から、同連合会と合同で
加入促進キャンペーンに乗り出した。市役所などのほか相模原、橋本、相模大野の三駅に加入を呼び掛ける横断幕
を設置。転入手続き時のパンフレット配布も始めた。
本年度は、同連合会が六月にもまとめる地域活性化の提言に沿って本格的な対策を講じる予定。
細谷会長は「自治会活動は、隣近所仲良くしよう、が原点。地域の元気がまちの元気につながる」と訴えている。
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