EMCがコンシューマー市場へ参入――「Wiiでも管理できるストレージ」を中国で販売
最大4TBの容量を搭載可能。他地域への展開も視野
(2008年04月03日)
米国EMCがコンシューマー市場をターゲットに、新たなストレージ製品群「StorageCredenza」の販売を開始する。
新製品は、欧州でも米国でもなく、中国で最初にリリースされる。
StorageCredenzaは、エンタープライズ分野のストレージ大手であるEMCが開発した、初のコンシューマー向け
ストレージ製品で、今後同社がコンシューマー市場に本格参入することを示唆している。
EMCのコンシューマー向けストレージ「StorageCredenza」。WiiやPS3などからも管理が可能である
同社のアジア太平洋/日本地域担当社長のスティーブ・レオナルド(Steve Leonard)氏は、中国でコンシューマー
向け製品を発売するという今回の決断について、「中国は、コンシューマー市場として最大かつ最も成長が著しい地域だ。
高度な技術を持つユーザーも増えている」と述べ、EMCが中国市場を重要視している点を強調した。
同氏によると、StorageCredenza 用ソフトウェアはEMCの中国人エンジニアが開発したものだという。
StorageCredenzaは、3.5インチのSATAドライブを4台、最大 4TBまで搭載可能なストレージ製品だ。EMCによると、
DVD画質の動画で1,500本分、もしくは高音質の音楽ファイルで60万曲を保存できるという。同製品は、eSATA
(外付けSATA)やUSB 2.0、Ethernetの各ポートを備えている。また、EMCのバックアップ・ソフトウェア「Retrospect」
が付属し、ハードディスクの故障時にもデータを保護するよう設計されている。
さらに、ユーザーは、Webブラウザを通してStorageCredenzaの管理が可能だ。このため、PCだけでなく、任天堂のWiiや
ソニーのPlayStation3(PS3)、PSPなど、ブラウザ機能を搭載した各種ゲーム機でもStorageCredenzaを操作できる。
そのほか、米国Appleの「iTunes」対応のメディア・サーバ機能や検索機能などを備えており、 Picture Transfer Protocol
(PTP)をサポートするデジタルカメラから画像を直接転送することもできる。
IDG JAPAN
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>>1の続き)
EMCは、コンシューマー市場へ本格的に進出する足がかりとして同製品を位置づけている。Leonard氏は、
オンライン・バックアップ・サービスの「Mozy」を運営していた米国Berkeley Data Systemsを同社が
昨年買収したことにも触れ、「EMCでは、この分野(コンシューマー・ストレージ市場)に今後ますます
注力していく方針だ」と語った。
250GBのディスクを4台備えたモデル「StorageCredenza Model 400」は、中国ですでに出荷が開始
されており、価格は8,980人民元(約1,279ドル)となる。EMCは、2008年第3四半期中に、500GBの
ディスクを2台備えた「同Model 200」をリリースする予定である。
なお、EMCは、今後StorageCredenzaを中国以外の市場でも販売する計画だが、地域や時期については
明らかにしていない。
(Sumner Lemon/IDG News Serviceシンガポール支局)