関空会社、電車を年間8本走らせるために28億円を投入
関西空港の連絡橋(3・75キロ)の鉄道部分で、関空会社が進めていた防風柵の設置工事が完了した。
瞬間約30メートルの強風を防ぐことができる在来線としては国内最高クラスといい、同社は、運休回数が
従来の年平均11・3回から同3・3回に減るとしている。
連絡橋の鉄道部分には、両端の各300メートルに高さ2メートルの鉄柵があるだけだったが、ほぼすべて
を高さ2メートルの鉄柵で覆い、既設部分も1メートルかさ上げした。鉄柵に小さな丸い穴を開け、風の一部
を逃がすことで負担を減らす工夫も施した。
運休回数は開港後、年6、7回で推移していたが、2003年度は13回、台風の〈当たり年〉だった04年度
は19回に急増するなど、海上空港の弱点が浮き彫りとなった。このため、同社は、財団法人
「鉄道総合技術研究所」の協力を得て防風柵の設置を決め、総工費28億円で、06年12月に着工していた。
列車を運行するJR西日本と南海電鉄は、連絡橋の風速計が瞬間26メートルを記録すれば運転を休止
していたが、5日の始発から同30メートル未満であれば運転が可能になる。
同社によると、関空発着の鉄道利用者数は年間約1360万人で、「国際空港の魅力を高めるため、
鉄道の安定運行は必要不可欠」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/news/20080402-OYT8T00062.htm