タバコのポイ捨て、電車の床座り、ところかまわぬ携帯電話。
常識の低下が問題視されて久しい。
メディアでもマナー向上を訴えてはいるが、その効果も怪しいもの。
本当に効果のある啓蒙(けいもう)システムはないものか?
思い切って体罰はどうだろう。中東某国にならい、街中でキスしたり、
道にツバを吐いたりしたら鞭(むち)打ち刑。…だめだ、婦警さんに鞭なんか持たせたら
逆に喜ぶ輩(やから)がいる。鞭がだめなら飴(あめ)か。よし、特典を進呈しようじゃないか。
ゴールド免許など、すでに実施されているものもあるが、新しい制度を考えてみた。
ポイント還元のシステムを採用する。ゴミを拾って環境浄化に協力したら1ポイント。
電車でお年寄りに席を譲ったら2ポイント。マナーの素晴らしい人には、公共サービスが優遇される。
10ポイントで住民票の写し無料。100ポイントで官公庁食堂のカツカレー食べ放題。
1000ポイントで国会議事堂ペア宿泊券。1万ポイントに到達すれば勲章を授与し、
ついでにハロプロに囲まれて写メ。または紛失した年金記録を言い値で再設定してもらえる
(余ったポイントはマイレージ自動振替)。これならみんな目の色変えてマナーを向上させるに違いない。
と、この原稿を書いてる新幹線の車中、前に座った青年が座席をものすごい勢いで倒してきた。
おかげで俺のパソコン「断くん」が小破。ひとこと「イス倒しますよん?」と断ってくれれば、
過剰な笑顔で「どおぞ!」なんだがなぁ。この青年にポイントは絶対あげないぜ。
(劇作家 伊藤えん魔)
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