神奈川のひと:ブレーメン通り商店街理事長・伊藤博さん /神奈川
◇カリスマ商店街をけん引−−伊藤博さん(65)
◇明日を語る“希望の星に”
東急東横線元住吉駅(川崎市中原区)から西に約600メートル続くブレーメン通り商店街。
主婦や学生の人通りが絶えず、シャッターが降りた店は数える程度だ。
この街でクリーニング店を構え、20年前から商店街の役員を務める。06年4月には
理事長に就任し、全国から視察が来る“カリスマ”商店街をけん引する。「商店街は古いと
思われがちだが、やり方次第でうまくやれるんです」
高校を卒業してすぐに父親が経営していた店を手伝うようになった。「長男だったからね」。
45歳で店を譲り受け、役員として商店街の運営に携わることになった。当時はバブル経済
の真っ盛り。客が渋谷や横浜の繁華街に流れ始めていた。
「商店街は人が集まる場所でなければ」。音楽祭や海外の商店街との交流など多くの
企画をつくった。「商店街の会費を使ってやる必要があるのか」と反対の声も上がったが、
一軒一軒説得して回った。環境対策にも取り組み、各店舗が省エネなどをアピールする
「1店1エコ運動」は06年に地球温暖化防止活動環境大臣賞に輝いた。
チェーン店が増えるなど、時代とともに商店街の姿は変わった。でも、それでいいと
思っている。「店が閉じてもそこに新しい店が入るような環境をつくればいい」。
06年には20年後の商店街の姿を考えるプロジェクトも設立した。計画策定のために
勉強の日々が続く。「だって、上に立つ人間は明日を語れる“希望の星”にならない
とだめでしょう」【吉住遊】
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20080313ddlk14070107000c.html