いじめゼロへバッジ着用 草津の玉川中、生徒会の活動評価
滋賀県草津市の玉川中生徒会が取り組んでいる「いじめゼロ活動」がこのほど、同市教委の
教育研究奨励事業の最優秀賞に輝いた。生徒たちがいじめを絶対に許さない意思表示として
バッジを着ける運動が高く評価された。
2006年10月から1年間、生徒会の執行部を中心に「いじめゼロ活動」を呼び掛け、
いじめ経験の有無など把握するアンケートや、いじめられている人の気持ちが分かる
証しのバッジを着ける運動に取り組んだ。
バッジ着用前の06年4月に全校生徒418人を対象に実施したアンケートでは、
「いじめを受けたことがある」と答えた生徒が全体の3割に上った。「いじめを
やったことがある」は4割、「いじめを見た、聞いたことがある」も7割を占めた。
全国的にいじめが原因とみられる児童、生徒の自殺が報道される中、校内でも人を
傷つける言動が目立っていた。
このため、いじめを見て見ぬふりをする状況の解消や、いじめられている友人の相談に
乗れる生徒を増やそうと、バッジ運動を始めた。金属製バッジは生徒がデザインし、
交付は運動に賛同する用紙に記入し、執行部か教師の面接を受けるのが条件。いじめを
許さない気持ちを持っていることを確認の上、バッジが渡され、制服に着ける。運動の
輪は次第に広まり、現在、全生徒の約25%に当たる101人がバッジを着けている。
運動の中心となった3年生は11日に卒業する。前生徒会長の柴田直季君(15)は
「生徒全員がバッジを着けるまで、いじめがなくなったとは言い切れない。後輩に
は改良を加えて活動してほしい」とエールを送っている。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008031100071&genre=F1&area=S10