中国食品の安全強化 全人代開幕、温首相が強調
2008年3月5日
【北京=平岩勇司】中国の第11期全国人民代表大会(全人代=国会に相当)の第1回会議が5日、北京の人民大会堂で開幕した。
温家宝首相は今年の政策目標を示す政府活動報告で、今夏の北京五輪を「国際的連携を緊密にして成功させる」と表明。
食品、医薬品など中国製品の品質向上と安全強化を図り、「信用のある輸出品をつくらなければならない」と呼び掛けた。
温首相は報告で、食品や医薬品など7700項目の製品で安全基準を見直すことを説明。測定方法や基準はすべて国際標準を採用し、
食品、医薬品に対する監督・管理を強める。安全性を確保する法律を整備し、違法企業に厳罰を加えることで「安心できる食品や日用品
を提供する」としている。日本でのギョーザ中毒事件をはじめ、海外で中国製品をめぐるトラブルが多発するため、信頼回復策を盛り込んだ。
都市との格差が進む農村対策では、前年より約1300億元増の5625億元(約8兆1500億円)を計上し、食料生産補助金の増額や
基本農地の保護などの支援策を強化する。
◆政府活動報告要旨
▼食品、医薬品など約7700品目の製品の安全基準の整備を目指す。
▼北京五輪では、国際的連携を緊密にし、ハイレベルのスポーツの祭典の成功を確保する。
▼資源消費の低減、環境保護を図った上で、今年の経済成長率は8%前後を目指す。
▼穏健な財政政策と金融の引き締め政策を実施、都市部の失業率は4・5%以内に抑える。
▼消費者物価上昇率を4・8%以内に抑える。
▼中台両岸の交渉の早期再開に努め、台湾を中国から切り離すことは決して許さない。
(北京・共同)
中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/ntok0012/list/200803/CK2008030502092896.html