(CNN) 南米エクアドルのコレア大統領は3日、隣国コロンビアの部隊が1日にエクアドルに越境し、
コロンビア革命軍(FARC)に対する軍事作戦を実施したことを受け、コロンビアとの国交を断絶したと発表した。
軍事作戦ではFARCのナンバー2だったラウル・レジェス氏が死亡した。コレア大統領は記者団に対し、
軍事作戦前にイングリッド・ベタンクール上院議員(フランス国籍)を含む人質12人の解放について、
FARCと合意直前だったことを明らかにした。
エクアドルとコロンビアは国境地帯で自国の部隊を増強。コレア大統領は、民間人に死者が出た
正当化できない「殺りく」だとして、コロンビアの作戦を非難した。ベネズエラのチャベス大統領も、
作戦が「殺人行為」だと述べ、コロンビアとの国境地帯に部隊を配置した。
米州機構(OAS)関係者がCNNに語ったところによると、OAS常設理事会は4日、米ワシントン市内で
会合を開き、緊張緩和の道を探る。ブラジルのアモリン外相は、コロンビアのエクアドル越境を非難する
一方、問題の平和的解決に向けて当事国の仲介に努めていることを明らかにした。
一方、軍事作戦で押収された証拠品の中から、チャベス大統領が先日FARCに3億ドル相当の支援を
実施したことを示唆する記録が発見された。コロンビア警察当局者は記者会見で、押収した3台の
コンピューターの中に、反政府勢力の指導者として拘置されていた当時のチャベス大統領にFARCが
1億ペソを支援した可能性を示す記録や、エクアドルの治安担当閣僚が先日レジェス氏と面会したことを
裏付ける記録などもあったと述べた。
コロンビアのウリベ大統領は、FARCとエクアドル・ベネズエラ両国政府の間に密約があったとして、
OASや国連に証拠を提示する意向を表明。ただ、エクアドルのコレア大統領は、FARCへの
接触目的が人質解放交渉のみであり、ベタンクール氏の母国であるフランス政府も関与したと主張した。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200803040007.html