チャーシューがあふれんばかりの醤油(しょうゆ)ラーメン、トッピングの目玉焼きが食欲を
そそるハンバーグ…。そんなサンプルに誘われて何度、店のドアを開けたことだろう。食品
サンプル発祥の地・大阪。メーカーの体験教室に参加し、チョコパフェのサンプル作りに挑戦した。
訪ねたのは、大阪市平野区の「森野サンプル」。工場見学の申し込みが増えたことから3年前、
体験教室を開くようになったという。当日の参加者は、記者のほかに同社のホームページで
教室を知ったという20代の女性6人。
まず、ナイロンチップとティッシュペーパーを入れた模擬カップに、イチゴやバナナ、ブルーベリー
など約10種類のサンプルからトッピング具材を選んで盛りつける。どんなパフェに仕上げるか
というシミュレーションの作業で、ティッシュをクリームに見立て、色合いやバランスを考えて
具材を組み合わせていく。
「サンプルには裏表があります。キウイは種を描いてある方、バナナは模様のある方を前に
してください」
熱中していると、指導してくれた同社専務の森野文夫さんから注意が。見直すとバナナ
をしっかり裏向きに乗せていた。
次はクリームの部分を仕上げる作業。グリセリンとゼラチンを混ぜてチョコ、イチゴなどの
色にした“ソース”を選び、カップに入れる。その上に“クリーム”のシリコンを回しながら絞り
込むと、見事にソースとクリームが縞模様に。このシリコンはタイルの目地などに使うものだという。
最後にクリームをピンと立て、先ほどシミュレーションした具材を一つずつ乗せていく。
「おいしそう」「めっちゃかわいい」。パフェが仕上がると、参加者からは歓声が。
「サンプル作りは、本物の型を取ることから始めます。パフェを作ってもらってわかったと
思いますが、工程も本物と同じだけ必要。いいサンプルとは、ズバリおいしそうに見えることです」
と森野さん。乾燥時間込みで約1時間、パティシエ気分を味わった。
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/080303/sty0803030817002-n1.htm