国土交通省の行き過ぎた規制緩和が原因で過当競争となり、収入が激減し生存権を侵害されたなどとして、
東京のタクシー運転手10人が計約2700万円の国家賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、
「どの公務員がどんな加害行為をしたのか特定しておらず、主張が不十分」として請求を棄却した。
一方で三代川三千代裁判長は「輸送の安全や利用者の利便の実現に結び付かず、労働条件の悪化という
ひずみを生み出したことは明らかな事実」とタクシーに対する規制緩和政策を批判した。
国交省などが平成17年以降、タクシー事業者の法令順守に対する監督強化の姿勢を打ち出したことについて、
「原告らが提起した問題の改善に向けた取り組みを示すものだ。成果が得られるよう国が継続して責務を果たすことを
強く期待する」と注文を付けた。
原告は国際自動車(東京)に勤務する40〜60代の運転手。
判決によると、14年施行の改正道路運送法で、タクシー新規参入や増車の規制緩和が進み、政府は
14年2月〜18年1月、全国で約1万7700台の増車を許可した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080125/trl0801251935046-n1.htm