「アンネの木」残った…アムステルダム市が伐採計画撤回
【ブリュッセル=尾関航也】
「アンネの日記」で知られるユダヤ系ドイツ人アンネ・フランクが、
ナチスの迫害を逃れて暮らしたオランダ・アムステルダムの
隠れ家の裏庭に立つクリの木について、アムステルダム市当局は23日、
伐採計画を撤回し、今後少なくとも5年間は延命を図ると発表した。
木は推定樹齢150〜170年で、衰弱して立ち枯れに近い状態。
高さ約22メートルの大木のため、幹が折れた場合には
隣接する博物館を押しつぶして大惨事になりかねないとして、
当局が伐採の方針を決めていた。
しかし、昨年11月の伐採予定日の前日、
地区判事が伐採に反対する周辺住民らの差し止め請求を認め、
当局は樹木の専門家を交えて解決策を検討。
この結果、当局と住民らは、今年5月末までに木の周囲に鉄製の柵を建て、
安全を確保したうえで、木が完全に枯れてしまうまでは保護を続けることで合意したという。
柵の建設費約5万ユーロ(約780万円)や、今後の木の手入れにかかる費用は寄付金で賄う。
木は、アンネが隠れ家の屋根裏の採光窓から眺めるのを楽しみにしていたもので、
2006年に伐採計画が浮上して以来、世界中から反対の声が上がっていた。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080124-OYT1T00733.htm