【佐賀】川副中、県内唯一の丸刈り規定30年ぶり廃止
佐賀市の川副中(村上良秀校長、481人)は、県内中学で唯一続けてきた男子の丸刈りを廃止した。
「恥ずかしい」「髪形を選びたい」。そんな生徒の思いをくんだ約30年ぶりの頭髪の自由。
見直しを主張した3年生の卒業式前に学校側が応えた。
川副中は1979年、「非行の未然防止策」として丸刈りを導入。当時、喫煙や飲酒など問題行為が頻発していた。
「外見で大人と区別をつけることで、生徒に自制を促し、周囲も注意できる」。
他校が人権や個性重視を理由に取りやめる中、継続してきた。
存廃についての論議は何度となく校内外であり、昨年5月の生徒総会であらためて、ある3年のクラスが「長髪を認めてほしい」と要望した。
それを受け、当時の生徒会が学校との協議を開始。秋には全校生徒と教職員を対象に賛否を問うアンケートをとった。
「伝統を守るべき」という声があった一方で、「時代的におかしい」「丸刈りの中学には通いたくないという小学生がいる」など、
廃止を求める意見が9割近くに上った。
学級討議や生徒集会も開いた。他校の校則を調べ、丸刈り規定を「中学生らしい清潔感のある髪形」に改正する案も作成。
今月9日の臨時生徒総会で決議した。
学校側も並行して対応を検討し、PTAとの協議も重ねた。その結果、丸刈り廃止を決定し、生徒と保護者に16日、伝えた。
村上校長は「生徒たちの頑張りに、任せてもいいと思った」と話す。
かつて同校が「頭髪自由校」だったころを知る現PTA会長の江頭修さん(54)は「丸刈りは強制すべきではない。廃止には大賛成」と語る。
卒業式は3月14日。前生徒会役員の江島武君(14)、栗林宏次君(15)らは「今回のことで川中(かわちゅう)がまとまった」と話し、
「いい雰囲気を引き継いでほしい」と後輩たちに願う。
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