ビートたけし「笑いは差別だと思っているところがある」
かつての下町や東京の外れでは、職業や見かけで他人を差別するのが日常だったという。
「下町の寅さんみたいな映画、みんなうそだと思うもの。住人が助け合ったわけでもないし、
ホント、ひどい、むちゃくちゃだったもの」。出身地をおとしめたのは、そんな差別を笑い
飛ばす意味もあったのだろうか。「うーん、笑いは差別だって思っているところがあるからね。
差別的な意見で人が笑うところ、あると思う。それがないと、かなりの笑いがなくなるんじゃ
ないかと思う」。
それにしても、どうして差別が笑いになるのだろう。「基本的には、なぜ面白いかというと……。
逆に言えば、ホームレスがバナナで滑って倒れるより、総理大臣が滑った方がおかしいでしょ。
偉くなって、(カンヌ国際映画祭のような)世界の舞台に呼ばれ、自分を上げておいて、改めて
ちょんまげをかぶるとか。アカデミー賞に呼ばれて、お尻が出ていたりとか。だから、野球選手に
一生に一度、サードから回ってみろって言ってるの。長嶋(茂雄)さんも何回わざとエラーしたことか」。
差別も含め、落差に面白さの種がある、ということだ。
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20080107dde012040018000c.html