薬物事件の捜査の過程で関係先として家宅捜索された東京都新宿区の中国籍の男の部屋から
自衛隊法で「秘」に指定されていた陸上自衛隊の「部隊編制表」の一部が見つかっていたことが3日、
分かった。部隊編制表は有事の際の作戦立案の基礎データとなるもので、警察当局は男から資料の
任意提出を受け、流出ルートや背後関係などを調べている。自衛隊では昨年、最高機密のイージス
艦情報流出事件が発覚、海自3佐が起訴された。今回も、安全保障に関する日本の情報管理の
ずさんさが露呈した一例といえる。
警察当局によると、昨年8月、薬物事件の捜査で浮上した新宿区の男の部屋を捜索した際、室内の
段ボール箱に入っていた部隊編制表の資料が見つかった。
文書の内容から平成15年以前に作成されたもので、すべてのページに「秘」の文字が印刷された50枚
の冊子。表紙が切り取られていたが、分析の結果、陸自の全部隊と駐屯地の名称、各部隊の装備や能力
の一部、所属系統が分かる部隊編制表の冒頭部分であることが判明した。
捜索された部屋の男は事情聴取に「自分の前に部屋を借りていた中国人の荷物。中に何が入っていたかは
知らなかった」などと説明している。
警察当局は過去に入居した中国人や出入りしていた人物の特定を急ぎ、文書が新宿の部屋に流れた
経緯について、陸自にも協力を求め、調べている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080104/crm0801040119000-n1.htm