2007年の携帯業界を振り返る
ITmedia 2007年を振り返るにあたって、まずはお2人にとって今年一番大きなトピックをうかがいたいと思います。
神尾寿氏(以下敬称略) キャリアの動きを見る限り、全体的な勢力図は変わっていませんが、勢いは変わってきましたね。
特に2006年末の番号ポータビリティ(MNP)開始直前から比べて大きく伸びたのが、ソフトバンク。
正直、1年でここまでキャッチアップしてくるとは思いませんでした。あとはドコモが2007年には持ち直すんじゃないかと
去年(2006年)の段階で予想していましたが、後半から持ち直して、「905iシリーズ」では競争力を上げてきました。
今まではFOMAで苦戦してauに押されていましたが、その間にまいた種がようやく実ってきました。そしてauの勢いが予想以上に早く落ちてきましたね。
石川温氏(以下敬称略) 年始からモバイルビジネス研究会が始まったこともあり、私は総務省に非常に振り回された1年でした。
総務省の方々が大鉈を振るい、我々には理解できない部分がありつつも、水面下ではキャリアがちゃんと動いていた。
その結果、年末商戦には割賦販売をはじめとした、販売奨励金と離れた販売モデルを出してきました。
このあたりはキャリアが一枚上手だったというのが正直な感想です。総務省としていろいろと頑張っていましたが、結局はキャリアのためになったという。
しかし私が危惧しているのが、番号ポータビリティ(MNP)が失敗して、これから競争を促進しなければいけないはずが、
(端末の2年契約が基本となる)割賦制度を導入したことによって、さらに競争が沈下してしまうことです。
これでドコモからユーザーが逃げれられなくなり、さらにはメーカーの端末販売台数も減ってしまうので、そういう意味では2007年は業界が少し変わってきた年だったという印象があります。
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