スレタイ
ネット世論(笑)と政治との愛称の悪さ
ネットを通じた世論調査もしばしば利用されるようになったが、その信頼性はある程度以上に高めることができない
宿命を持っている。にもかかわらずネット調査の結果がマスメディアで取り上げられる状況は、むしろ世論を
ミスリードしかねないのではないか……。そんな考えもあって、個人的にはインターネットの登場で民主主義政治は
さらに困難を増したのではないかとの実感を持っている。 <略>
インターネット上の議論は出入りが自由だ。ブログに1つコメントを書き残して去ってしまい、その後は接続しない
という人もいるだろう。そうした出入り自由な情報空間で、議論の収束は望めまい。そして出入り自由な面々は
その素姓も分からない。そうした素姓の分からない人々が出入り自由に関わる言論空間で何が起きるか端的に示して
いるのはやはり「2ちゃんねる(2ch)」の趨勢だろう。 <略>
この集合的アイデンティティーの優れたところは、誰でもそうと名乗れるし、そうと名乗っても個々人の主義や立場を
詮索される恐れがないことだった。それは匿名空間で、自分の立場を明確化せずに敵をバッシングして盛り上がる
うえで極めて好都合な集合的アイデンティティーだったのだ。こうした盛り上がりのために要請されたアイデンティ
ティーが、時に強烈な拝外主義に帰結する。例えば「無名の日本人庶民」は、取りあえず差異が明白な日本人以外を
糾弾しようとする。それが2chで中国人差別、韓国朝鮮人差別が激烈を極める理由である。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20071211/142873/?P=3