http://www.worldtimes.co.jp/syasetu/sh071216.htm 教育再生会議/「徳育の教科化」提言実現を
教育再生会議(野依良治座長)が月内にもまとめる第三次報告(最終報告)の内容についての議論が大詰めを迎えている。
学校での「徳育」の教科化をめぐり、渡海紀三朗文部科学相が慎重な姿勢を示し、
中央教育審議会(中教審)が結論を先送りしている。これに対して、町村信孝官房長官が
「(文科省に)必ずやらせる」とし、綱引き状態だ。
しかし、決して後退させてはならない。六月に提言した徳育教科化の実現のための方策を強く打ち出すべきである。
学習内容に一貫性がない
中教審の反対理由の一つは「価値観の押し付け」にある。しかし、これはおかしい。
義務教育制度や改正教育基本法が指し示す、善き家庭人・社会人・国民を形成するためには、
その内容や価値観を歴史的に解き、分かりやすくまとめ、教科として教えることが肝要だ。
先日、都内で開かれた日本教育再生機構のタウンミーティングの席上、八木秀次・同機構理事長が
「教育再生が失速しかねない」と危機感を表明。それを受けて、植田宏和・全日本教職員連盟委員長ら
代表者からは「道徳教育の教科化とよい道徳教科書の作成を強く望む」などの声が相次いだ。
「徳育の教科化」実現のためには良質な道徳の教科書が必要である。報告書にもその作成の重要性を明示してほしい。
現在の「道徳」は、正規の教科ではなく、総合的な学習の時間と同様、枠外扱いであり、
その内容に一貫性がないのは、統一的な教科書がないことにも原因があるからだ。