中国人記者が当局に拘束、投獄された事件で、ヤフーの責任は免れず、謝ったぐらいで怒りは
収まらない──。
米下院議会は、ヤフーのジェリー・ヤンCEO(最高経営責任者)にその点を明確にした
米下院外交委員会が11月6日の公聴会で、ヤン氏から本当に引き出したかったのは、「反体制派の
弾圧につながる恐れのある情報の提供を外国政府から要求されても、ヤフーは決して協力しない」
という誓約だった。最悪の場合でも、中国政府に対する過去の協力に対する償いはすべきだと考えていた
11月13日、ヤフー(YHOO)は金銭賠償の道を選んだ。服役中の中国人記者シー・タオ(師濤)氏
と反体制活動家ワン・シャオニン(王小寧)氏らの家族との和解に応じたのだ。両氏とも、ヤフーが
中国政府に情報(個人的な電子メールやヤフー掲示板への匿名の投稿)を提供した後、禁固10年の
判決を受けている。和解金額は公表されていない。
「ご家族にお会いして、関係当事者とヤフー、そして未来にとって最善の策は何なのかが、
はっきりと分かった」とヤン氏は声明で述べた。
11月6日の公聴会では、ヤン氏とヤフー法律顧問のマイケル・キャラハン氏のすぐ後ろの傍聴席
最前列にシー・タオ氏の母親が座った。両氏は母親の目の前で、なぜタオ氏の電子メールを当局に
提供したのかについて説明したのである。 キャラハン氏は、今年2月の下院外交委員会で「情報を
中国政府が反対派の声を鎮圧するために利用するとは知らなかった」と証言したことについて
謝罪。一転して、「中国法人の社員は、中国政府の要請が政治犯罪容疑と関係があることを
認識していた」と認めたのだ。ただし同氏がその事実を知ったのは、最初の証言をした2月の
公聴会の後だったと主張した。
ヤン氏は公聴会で、「投獄された人々を何らかの形で支援していく」と表明した。だが、
ヤン氏もキャラハン氏も、反体制活動家に関する情報提供を拒否するという約束はしなかった。
情報提供を拒めば、現地社員が当該国の法律に違反した罪で逮捕されてしまうと主張したのである。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20071126/141436/