入院患者射殺は貫通力高い銃弾使用
佐賀県武雄市の入院患者射殺事件で、病室などから見つかった弾丸は貫通力が高いメタルジャケット弾で、
弾の大きさから38口径前後の回転式拳銃が使われたとみられることが10日、武雄署捜査本部の調べで分かった。
被害者の宮元洋さん(34)は、至近距離から両肩付近を撃ち抜かれていた。
犯人の男が病院内にいたのは約3分と、ごく短時間だったことが防犯カメラの映像で確認されており、
捜査本部は病室に押し入った男が強固な殺意でちゅうちょなく銃撃したとみている。
事件は人違い殺人の疑いがあり、発射した銃が過去の暴力団抗争などに使われていないかどうか、
科学警察研究所(千葉)のデータを基に弾丸の線条痕を鑑定する。
現場の病室(個室)には10月以降、宮元さんの前に3人の男性患者が順に入っていたことも判明。
捜査本部は、この3人や別の部屋の患者に組員や暴力団に関係する人物がいないかどうかの確認も進めている。
調べでは、弾丸は病室の床と、あおむけに倒れた宮元さんの背中とシャツの間から1発ずつ見つかった。
病室の窓から約40メートル離れた病院隣の生協事務所付近でも2発発見された。
宮元さんに当たった2発のうち1発は、左肩から入って心臓のすぐ上の動脈を損傷し、肺から背中へ貫通。
別の1発は右肩の前から後ろに貫通していた。
宮元さんはラグビーの試合で切断した右足アキレスけんの手術とリハビリのため、10月2日に入院。
当初はナースステーションに近い11号室にいたが、13日に最も端の1号室へ、
23日に射殺現場となった3号室に移り、順調な回復で退院目前だった。
病院2階には19の個室が並び、症状が重い患者を中央のナースステーションに近い病室に配置。
回復に応じて離れた部屋に移すなど、病室の交代は頻繁に行われていたという。
[2007年11月10日18時54分]日刊スポーツ
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20071110-281431.html