首長多選禁止―自治体の選択に委ねよ
8期31年間。知事の最長在任記録だ。大卒で県庁に就職した人が50歳を過ぎてなお、知事は同じ人物――。
これが90年代半ばまで石川県で続いた。
知事が有能で人望があり、有権者がそう選択したのであれば文句はない。
だが、在任が長期になれば県政はマンネリ化しがちで、腐敗の危険も高まる。
それだけ知事の握る権力は絶大だからだ。当選を重ねて「王国」を築き、揚げ句に汚職で逮捕された知事もいた。
これを防ぐため、知事の在任期間に上限を設けておく。松沢成文知事の提案で神奈川県がそんな条例をつくった。
現職はもちろん、将来の知事も「連続3期12年まで」に制限する。
拘束力のない「自粛」条例をつくった自治体はあるが、多選を禁じたのは全国で初めてだ。
ただ、直ちに効力を持つわけではない。禁止に反対だった県議会との妥協で、
条例による多選禁止を容認するよう地方自治法が改正された後に施行することになった。
最終的には国会にげたを預けた形である。
続き
http://www.asahi.com/paper/editorial20071022.html#syasetu1