脱北者:入国倍増 今年すでに21人 家族「呼び寄せ」
日本に入ってくる脱北者が今年になって急増している。国内で支援に当たる
在日本大韓民国民団(民団)の「脱北者支援民団センター」によると、例年は
10人程度だが、今年は既に21人が入国した。以前は帰還事業で北朝鮮に
渡った人たちが帰国するケースがほとんどだったが、最近は帰国した人たちが
残してきた家族を呼び寄せる例が目立つ。脱北者の入国は今後も増え続けると
みられ、同センターは支援を呼びかけている。
センターによると、今年日本に来た脱北者は、2月10日に5人、4月28日に3人、
5月8日に1人、8月4日に12人。帰還事業で北朝鮮に渡った元在日朝鮮人と
その家族らで、いずれも中国・瀋陽の日本総領事館で保護された後、帰国・来日した。
最近は、帰国した元在日が残してきた家族を呼び寄せるケースが多いのが特徴だ。
8月4日に来日した12人のうち、帰還事業で渡った帰国者は女性1人だけ。
残りは北朝鮮で生まれ育った人たちで、うち9人は以前帰国した男性が残してきた、
妻や娘、2人の息子夫妻と孫ら親族だった。
脱北者の入国急増について、こうした「呼び寄せ」型の増加が背景にあるとみるのが、
中国国内に潜伏する脱北者の生活支援を主な活動にしている「北朝鮮難民救援基金」の
加藤博理事長だ。加藤さんは「既に帰国した人が、残してきた親族に脱北ルートや
領事館に保護を求めれば安全ということを携帯電話などで教えているので、効率良く
日本に入って来ている」と分析する。
また、同センター事務局の金哲三(キムチョルサム)さんは「小泉(純一郎)首相時代と
違い、昨秋以降、日中関係が改善したことが大きい」とみる。「保護された脱北者に
中国側が日本への出国許可を与えるまで、以前は半年近くかかっていたが、最近は
2〜3カ月程度に短縮されている」と言い、出国許可までの期間短縮に日中関係の
改善があるとの見方だ。(後略)
*+*+ MSN-Mainichi 2007/09/29[15:00] +*+*
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20070929k0000e040071000c.html