阿波公方、全国PRへ 那賀川町住民が国文祭関連イベント
十月二十七日に開幕する第二十二回国民文化祭・とくしま2007(おどる国文祭)に向け、阿南市那賀川町では、
住民有志が町ゆかりの足利将軍家末えいの阿波公方をテーマにした国文祭関連イベントの準備に取り組んでいる。
関係者は「那賀川を全国にPRする絶好の機会。歴史の陰に隠れていた阿波公方に光を当て、
住民の誇りや地域活性化につなげたい」と張り切っている。
「かわいい」「これなら子供にも受けるわね」。九月中旬、町老人福祉センターで赤やピンクの生地を切り、
公方の姿を模したちりめんのキーホルダーをつくる女性ボランティア。
国文祭の参加者に配布する記念品で、七月から百個以上を作った。
リーダーの稲飯明美さん(76)=主婦=は「歴史本より親しみやすいキーホルダーで、関心を持ってもらえれば」と話す。
国文祭最終日の十一月四日には、地元の郷土史研究会や住民団体が結成した「公方の郷づくり実行委員会」(上田忠孝会長)が、
地元産品を使った公方弁当創作料理コンテストや茶席、歴史探訪ウオークなどを開く。
ウオークガイドを務める延晃さん(75)=元教員=は「公方ゆかりの西光寺や史跡を巡り、町の歴史を実感してほしい」と期待を込める。
阿波公方関連の公式イベントとしては、同月三日に阿南市文化会館で、足利家現当主の義弘氏らを招いて
阿波公方文化フォーラムが開かれるほか、那賀川町古津の阿波公方・民俗資料館で同二日から四日まで特別展が開催される。
旧那賀川町は昨年三月、阿南市に編入合併された。支所になった役場の体制は大幅に縮小され、
道の駅「公方の郷なかがわ」も名称が変わった。合併に複雑な思いを持つ住民は少なくない。
各団体に協力を呼び掛けた那賀川支所の天野泰宏所長補佐は「新市の中に埋没しつつある那賀川町を元気にしたい」と関係者の気持ちを代弁した。
http://www.topics.or.jp/contents.html?m1=2&m2=&NB=CORENEWS&GI=Kennai&G=&ns=news_119085749586&v=&vm=1 http://www.topics.or.jp/system/data/news/119085749415.jpg 阿波公方の姿を模したキーホルダーを作る女性ボランティア=阿南市那賀川町老人福祉センター