杉内 自滅 2年ぶり押し出し 突然4回4四球
歯車の狂いを感じながらも制御できなかった。4回2死二塁からカブレラ、和田に連続四球を与えて
満塁。リーファーには直球もスライダーも、すべて外角低めに外れた。ストレートの押し出し四球に
杉内が首をかしげた。「しょうもないピッチャーですわ」。2005年5月17日の巨人戦以来と
なる押し出し。無安打で与えた先制点が決勝点では、自虐的な言葉しか出てこなかった。
自ら追い詰めてしまった。低めの際どい判定が2球続き、先頭栗山を歩かせたのが、この日初めての
四球。犠打で二進を許しても、G・G・佐藤を空振り三振に仕留めて2死を取った。だが、カブレラ
をカウント2−1から歩かせ、和田へのストライク投球はファウルされた初球の1球のみ。投球後に
バランスを崩す姿も目立った。
リーファーとは今季、3打数無安打の好相性だった。マウンドに駆け寄った杉本投手コーチは「余裕を
持っていけ」と諭したが、2球目のスライダーでハーフスイングと判定されなかったことを除けば、
あっけない四球献上だ。和田から8球連続のボール。「1人でやってちゃな。気持ちの問題かな」。
杉本コーチはうつむき加減で言った。
最速143キロの直球を軸に、スライダーで右打者の内角を徹底して突いた。3回までは1安打、
打者9人で終える“準完全”の内容。それが4回に一変した。杉本コーチは「立ち上がりはいい
部類だったと思うよ」と惜しむ。5回は3者凡退で立て直したかに見えたが、6回に2安打を浴び、
7回2死から栗山、片岡に連続タイムリーを食らって3失点KO。今季の西武戦初黒星で、一昨年
から続いた対西武の連勝も「6」で止まった。
大敗した前夜のロッテ戦は、大隣が2回に押し出しを含む3四球絡みで7失点。「先頭のは仕方
ないけど、4、5、6番に連続四球か。四球4つじゃな」。連夜の“四球劇”に王監督のため息も
深い。残る登板機会は最大2試合とみられ、リーグトップの西武涌井を2差で追う最多勝も
厳しくなった。重い1敗。これを今季最後の黒星にするしかない。
http://www.nishinippon.co.jp/nsp/hawks/20070922/20070922_001.shtml