星が欲しい

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1 北町奉行(兵庫県)
病院のベットで彼女がそうつぶやいた。
「星ってでかいんだぞ。家に入りきれないな」
「もぉー、たっくんはすぐそういうこと言う。」
笑ってる彼女は、とても白血病に侵されてるようには見えなかった。
「私ももうすぐ星になっちゃうんだよね…。」
「ばか…何言ってんだよ…。」
俺は、そう言って、ただ抱きしめることしかできなかった。
あれから2年が経つ。俺も大学生になった。
彼女は、星になった。
夜、星空を見る。彼女もこの空のどこかで輝いているのだろうか。
「星が欲しい」
あの日の彼女と同じ言葉をつぶやいていた。