携帯電話の世界最大手、フィンランドのノキアが松下電池工業製の電池パック4600万個を自主交換すると発表した問題で、
松下側が今年5月までに製造上の不具合が原因で電池が過熱すると特定していながら、公表していなかったことが15日、分かった。
その後、国内では7月と8月に事故が起きている。電機メーカーとしての情報開示のあり方に批判が集まりそうだ。
関係者によると、松下電池がノキアから初めて電池が過熱する不具合の情報を知らされたのは、06年12月だった。
松下電池の本社工場(大阪府守口市)のノキア向け電池の製造ラインは、11月に改修を終えていたため、
同社は当時の製造工程を再現したり、過去の製品を分解したりして、原因の究明を進めた。
その結果、今年5月までに、松下電池の製造ミスが原因で電池内部がショートして不具合が起きたことを突き止めたという。
ノキアにも報告したが、同社が公表をためらった模様で、結果的に両社とも、今月14日までの3カ月間、問題を公表しなかった。
電池をノキアに供給する松下は、ノキアの意向に反し、独自に公表することは出来ないと判断したとみられる。
また、ノキア側も、最初に報告があった不具合が海外での事例だったため、公表が遅れても
日本の法規の違反には当たらないと判断した可能性がある。
その後、同じ電池を使う製品で7月に大阪府内で、8月には静岡県内で事故が起きた。
それを直後に把握していたにもかかわらず、すみやかに
経済産業省に報告していなかったことも明らかになっている。
http://www.asahi.com/business/update/0815/OSK200708150183.html