国の天然記念物に指定されている青森県下北半島のニホンザル「北限の猿」について、
民間の研究グループ「下北半島のサル調査会」の夏季生態調査がむつ市脇野沢地区を中心
にこのほど行われ、最大規模の群れが3つに分裂していることが確認された。調査会は「猿害
地域が拡大する恐れもある」と指摘している。
この群れはA2―84群と呼ばれ約120匹で構成。3月ごろから分派行動がみられ、今回の
調査で約70匹、30匹、10匹程度の集団に分裂したことを確認。ほかに3匹のオスグループ
もハナレザル化しているという。
調査会地元世話人の松岡史朗さん(53)=むつ市脇野沢=は、生息数の増加傾向が
続いている状況を指摘した上で、「分裂群が今後どう生息域を確立するか、再分裂の
可能性も含めて追跡調査が必要だ」と話している。
調査は今月6―11日の6日間、同市脇野沢、川内両地区と佐井村の半島南西域を中心に
実施し、研究者や学生ら35人が参加した。調査会は今回の結果を基に、12月に下北全域を
対象とした一斉調査を実施する予定。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070815-00000008-khk-l02