安倍晋三首相がインドを訪問する際、同国コルカタで極東国際軍事裁判(東京裁判)で判事を務めた
パール氏の遺族と23日に面会する方向で調整していることが、13日分かった。首相は「インド独立の
英雄」として知られる故スバス・チャンドラ・ボース氏の子孫との交流も検討している。
東京裁判では、A級戦犯の25人が有罪判決を受け、東条英機元首相ら7人が絞首刑となった。パール
判事は戦勝国が敗戦国指導者らを裁く裁判のあり方を批判し、被告全員の無罪を主張。靖国神社に
顕彰碑が建立されている。
首相は昨年10月の衆院本会議で、東京裁判に関して「裁判を受諾しており、異議を述べる立場にない」
としたうえで、A級戦犯の戦争責任について「先の大戦に対する責任の主体についてはさまざまな議論
があり、政府として具体的に断定することは適当ではない」と見解表明を避けている。パール氏の遺族
との面会についても「友好的な日印関係を象徴する」(政府関係者)と説明するが、内容次第ではA級
戦犯を非難する中国などを刺激する可能性もある。
一方、スバス・チャンドラ・ボース氏は、第二次世界大戦時に英国からのインド独立を目指し、当時の
東条首相と交流。インド独立の英雄と称され、遺骨は東京都杉並区の蓮光寺に安置されている
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070814k0000m010096000c.html