深夜帰宅用タクシーチケットを私的に流用していたとして、厚生労働省は10日、国家公務員法
(信用失墜行為の禁止)に基づき、雇用均等・児童家庭局総務課長補佐ら6人を減給などの懲戒処分に、
労働基準局課長ら2人を文書による厳重注意処分にした。同課長補佐ら5人が2日間で4枚のチケットを
私的な会合後に流用。総額5万6210円は全額返還された。基準局の熊谷毅総務課長は「国民の信頼を
裏切る事態を招き、おわび申し上げる」と謝罪した。
労働基準局などによると、最も重い処分(減給10分の1、2月)を受けたのは、家庭局の総務課長補佐。
5月25日と7月5日に東京都文京区湯島のスナックで同僚と私的に飲食した後、都下に帰宅するさい、
基準局の親しい係長(戒告)から支給されたチケットを利用した。
同課長補佐は5月24日に、本人と部下の分として受け取った2枚のチケットを使用しなかったにも
かかわらず、返却せず、25日夜に部下ではない職業能力開発局課長補佐の帰宅用に渡した。
同課長補佐は使用せずに翌日、返却した。
このほか、職業安定局雇用保険課の係長(減給10分の1、1月)と開発局課長補佐(戒告)が7月5日、
同乗して同局のチケットで湯島から調布まで帰宅。同じく同局課長補佐と大臣官房課長補佐(ともに戒告)が、
湯島から板橋本町まで同乗した。
家庭局の課長補佐らは「持っていたのでつい使ってしまった」と話しているという。
私的流用報道を受け、基準局は7月31日、チケットの使用規定を策定。使用簿をつける再発防止策を講じた。
http://www.sankei.co.jp/shakai/jiken/070811/jkn070811005.htm