7月2日(ブルームバーグ):チョコレートとレモンやせっけんのにおいを
かぎ分けることが難しい高齢者は、アルツハイマー病にかかるリスクが
高まっ ている可能性がある。
医学誌アーカイブズ・オブ・ゼネラル・サイカイアトリーの7月号に掲載
された論文によると、においを嗅ぎ分けるテストで標準以下のスコアを取った 人は、
軽い認知障害を患う確率が高い。
論文の筆者のラッシュ・ユニバーシテ ィ・センター(シカゴ)の研究員
ロバート・ウィルソン氏によると、思考や学 習、記憶能力に問題が出る。
認知障害はアルツハイマーの前症状であるとの認識が高まっている。
脳の 中でにおいを処理する部分が、明確な症状が表れる前から何らかの
兆候を示し ていると考えられる。
嗅覚(きゅうかく)はパーキンソン病など他の神経疾患 でも何らかの役割を演じているとみられている。
ウィルソン氏は論文で
「認知障害がまだ表れていない高齢者におけるにお いの識別困難は、その後の軽い認知障害の先触れとなる」
として、
「嗅覚障害は アルツハイマー病の初期症状であり、嗅覚テストは同疾患の早期診断に役立つ 可能性がある」
と書いている。
ウィルソン氏によると、におい識別能力低下は体験や言葉、記号の忘却速度 を速めるとともに、認識のスピードを遅らせる。
研究は平均年齢約80歳の被験 者589人を対象に実施した。
12品目の嗅覚テストに含まれるのは標準で、バナ ナ、チョコレート、シナモン、ガソリン、レモン、たまねぎ、シンナー、
パイ ナップル、バラ、せっけん、煙、テレピン油。
ttp://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=aHumULS6vG5c