熱狂的なファンですら「唯一の問題」と認めていたXbox 360本体の信頼性の低さ、特にインジケーターランプ
が赤く点灯して起動不能になる「Red Ring of Death」の問題には約10億ドルの巨費を計上して保証期間を3年
に延長、すでに有償修理を受けたユーザには払い戻しという劇的な発表で収拾を図ったマイクロソフトですが、
ゲーム機部門を統括する幹部にはまた別の問題が持ち上がったようです。
Marketwatch.com によると、マイクロソフトのXbox事業を含むEntertainment and devices部門プレジデントの
Robbie Bach氏はXbox 360の新保証規定発表の2カ月前から前週にかけて620万ドルに及ぶマイクロソフト株
を売却しており、インサイダー取引の疑いで証券取引委員会の調査を受けているとのこと。5月以前にBach氏
が自社株を売却したのはさらに8カ月前。
大企業の幹部が自社株を含む資産をあっちこっちに動かして運用するのはなんら珍しいことではなく、問題の
取引についても違法なインサイダー取引であると認定されたわけではありませんが、不利な発表を控えて「売
り抜け」を図っていたとみられればBach氏にとってもMSにとってもちょっぴり困ったことになります。
この件についてのマイクロソフト広報のコメントは、「Robbie Bachの過去の証券取引は先週の発表となんら
関係なく......現在も多くのマイクロソフト株を保有しており、自社の長期的な成長について確信を持っている」。
また、Xbox 360の信頼性問題については数カ月前から検討されてきたものの、財務的にどのような対応を取
るか決定されたのはごく最近としています。
では結果的に発表後の株価がどう動いたかといえば、当日にはわずかに下げたもののすぐ持ち直して実質的
にほとんど影響なし。今後のXbox 360本体については問題を解決した設計になり、現在市場に流通している
本体を購入しても最低三年間は無料で修理・交換が受けられると聞けばFUDの「U」がなくなって逆に安心して
買える好材料のような気もしますが、買っていたらいたで結局インサイダー取引を疑われたのかもしれません。
http://japanese.engadget.com/2007/07/13/xbox-360-insider-rrod/