6月30日、「アニメ愛は国境を超えるか?」と題してパネルディスカッションが実施され、パネリストとして、
アニメ評論家として「BSアニメ夜話」などで活躍する氷川竜介さん、ノンフィクション作家で
オタキングこと、岡田斗司夫さんらが登壇。
会場からの質疑応答では、「若いアニメファンの減少」が訴えられた。現在、アニメの新番組は
驚異的な数が放送されているが、深夜帯が多く「若い世代がアニメに触れる機会が少なくなっている」
という。そのため、「昔は子供の頃アニメを見ていて、アニメ雑誌を買い、他のアニメや声優さんなどに
興味が広がり、アニメファンになるというパターンがあった。それが崩れたことに危機感を抱いている」という。
さらに「アニメファンとそうでない人の溝の深化」や、「一般社会における新しいアニメの知名度の低さ」
を憂う声もあがる。「ガンダムSEEDや、コードギアスなど、僕らアニメファンがメジャーだと思っている
作品でも、普通の人はほとんど見ていない。こういう状態になってしまったのはなぜか?」という疑問だ。
岡田さんも「例えばテレビで“アニメの名シーン特集”という番組があっても、未だに“フランダースの犬”
のラストが出てくる。普通の人はここ10年のアニメなんて観ていないといういこと」。
氷川さんはこの原因について、80年代に登場した“ファミコン”がキッカケになっていると分析する。
ビデオやファミコンの登場でその図式が崩壊した。
岡田さんもこれに頷く「今までは何年かに一度、ヤマトやナウシカ、ガンダム、エヴァンゲリオンなど、
日本人全体のブームになる作品があった。けれど、エヴァ以降10年そんな作品は登場していない。
それに、エヴァブームでさえも、当時の小中学生全員が観ていたわけではなく、ガンダムのように
世代全員の共通体験にはなりえていない」。
岡田さんは「もうスタジオジブリに萌えアニメを作ってもらうしかないよ。となりのトトロの権利を京アニ
(京都アニメーション)に譲って、サツキとメイを萌えキャラ化して。踊りとか踊らせて」と斬新なアイデアを披露。会場から爆笑を誘った。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070702/aniken.htm