倉敷市天然記念物「般若院のツバキ」 枯死で指定解除へ
倉敷市天然記念物の「般若院のツバキ」(倉敷市児島通生)が枯死し、市文化財審議会(間壁忠彦会長)は28日、天然記念物の指定解除を市教委に答申した。
同市ではこのツバキのほか、市天然記念物の樹木があるが、経費面などから害虫駆除以外に効果的な延命策≠ヘ取りにくい状況。今後も古木の危機は続きそうだ。
ツバキは本堂前の庭にあり、幹回りは1・8メートル、高さ9メートルで、10メートルにわたって枝を伸ばす。
推定樹齢は約400年とされ、早春には深紅の花を咲かせることで知られ、1971年に市天然記念物に指定された。
その後、樹勢が衰え、2002年には樹木医が治療が必要と判断。03年から市が補助し、薬剤投入や土壌改良したが、回復せず、昨年所有者が滅失届を提出。
倉敷市立自然史博物館の学芸員も枯死を確認した。 指定解除で同市天然記念物の樹木は3本のマツを含む5件。
マツはマツクイ虫や葉ダニを防除するための薬剤散布に当たるが、同市教委文化財保護課は
「枯死予防のための手立ては経費がかかり、治療のタイミングの見極めも難しい。所有者との協議もある」と苦慮する。
ただ、特定の樹木だけが天然記念物となる現在の制度について「1本の木だけを守るのは難しい」と、周辺も含めた環境保全の必要性を指摘する専門家もいる。
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