九州北部地方の梅雨入りが遅れている。梅雨前線は9日も南西諸島付近で停滞し、なかなか北上する気配を見せない。
福岡管区気象台によると、早くても来週末の「15日」以降になりそうで「17日」だった1969年以来、38年ぶりのスローペース。
福岡県では少雨が5月から引き続き、農業者は「雨が降らないと田植えもできない」と困り顔。夏場の水不足を懸念する声も上がり始めた。
●「田植えもできない」
同気象台によると、九州北部の梅雨入りは平年は5日ごろ。しかし、今年は偏西風が蛇行するなどの影響で、
北からの寒気の流れ込みが強く、太平洋高気圧による梅雨前線の押し上げが弱いという。
9日朝も前線は沖縄県の石垣島付近で停滞。予報では福岡県内は14日まで、曇りか晴れが続く見込みという。
困ったのが農業者。6月の福岡市の降水量はわずか0・5ミリで、5月も平年(138・9ミリ)の半分以下の64・5ミリだった。
一部の田んぼでは地面が乾燥。多くの農家が例年、5月上旬ごろから始める田植えをできないでいる。
福岡市早良区重留の稲作農家の男性(65)は「5日ごろに田植えをする予定だったが、これだけ乾燥していると、
苗を無理に植えても干上がる恐れがある。あまり遅くなると収穫に響く」と気をもむ日々。
今のところ、農作物の市場価格への影響は出ていないが、全国農業協同組合連合会福岡県本部(JA全農ふくれん)の今林惣一郎・営農総括顧問は
「あと一週間、雨が降らないと、本格的な被害が心配される」という。
少雨に福岡県内のダムも貯水率が低下。県内主要17ダムの平均貯水率は6日現在77・9%だが、
同県添田町の油木ダムの貯水率は27・7%にまで落ち込み、
同ダムを水がめとする同県行橋市は5日、渇水対策本部を設置し、市民に節水を呼び掛けている。
日本気象協会九州も「あまり梅雨入りが遅れると水不足になる恐れがある」と指摘している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070609-00000024-nnp-l40