「こんなに長続きするなんて」――主役の西田敏行(59)自身が一番驚いているのではないか。
西田主演の人気映画「釣りバカ日誌」のことだ。
21日、岡山での公開ロケで、西田は「毎回“これでおしまいかな”という気持ちで撮ってきた。
その潔さがここまで続いてきた理由かな」と言った。ハマちゃんが寅さんを超えるのは時間の問題。
今や“背中”が見えてきた「寅さん」こと渥美清は、西田のテレビデビューの“大恩人”でもあった。
西田が正式に芸能界入りしたのは明治大学中退後の68年のこと。「青年座」で頭角を現し、
舞台で注目されるが、実は前年の67年、テレビドラマにチョイ役で出ていた。
そのドラマが渥美清主演の「泣いてたまるか」(TBS)だった。
西田と渥美にはその後も浅からぬ因縁がある。「釣りバカ」が初めから、
寅さんの“後継者”と位置付けられたものでないことは読者のご存じの通り。
88年のシリーズ第1作は「男はつらいよ」と併映された“オマケ”みたいなものだった。
実際、松竹は渥美清が亡くなった96年、後継映画として「虹をつかむ男」を製作・公開している。
その主演に抜擢されたのが、西田だった。
そんな具合だから、「釣りバカ」は当然、打ち切りの危機を何度も味わっている。
1度目は03年。西田が心筋梗塞で倒れ、松竹は一時、覚悟を決めた。
西田本人はあまり釣りをしない。役柄上、練習はするがちょぼちょぼの進歩だそうで、
あるインタビューで「それがスクリーンではプロ級なんだから詐欺みたいなもんですわ」と言ったことがある。
原作の漫画で「ひばりが丘」になっているハマちゃんの住所が、映画では曖昧だ。
でも、ハマちゃんの勤務先「鈴木建設」の“所在地”はハッキリしている。
東京・羽田のセガ本社だ。かつて本紙の取材に同社広報が
「松竹さんからお話をいただいて、協力させていただいた」と答えている。
寅さん超えを果たすまで、“ハマちゃん伝説”はまだまだ作られる。
http://news.www.infoseek.co.jp/entertainment/movie/story/28gendainet07022827/