東シナ海のガス田摩擦について机上シミュレーションした結果、日中戦争に発展する可能性があります。
米統合参謀本部傘下の研究機関、米国防大学国家戦略研究所は29日までに、日中関係について分析した
報告書をまとめ、東シナ海のガス田をめぐる日中摩擦が紛争に発展する可能性があると警告、
「東シナ海で発生し得る危機に備えるべきだ」と米政府に提言した。
日中間では東シナ海のガス田開発問題が主要懸案の1つとなり、共同開発を目指した協議が続けられている。
こうした中で作成されたこの報告書は、米国の軍事・外交専門家が日中摩擦を深刻に受け止め、注視していることを示している。
この報告書は、ブッシュ政権1期目に国務次官補(東アジア・太平洋担当)を務めたジェームズ・ケリー氏ら
アジア専門家らのチームが行った研究の成果をまとめたもので、中国がガス採掘施設建設を推進した結果、
「東シナ海で日中の民間船舶、軍・防衛用艦艇の絡む事件が発生する恐れが高まってきた」と分析した。
その上で、「もし何らかの事件が起きれば、武力行使、ひいては紛争につながりかねない」と予測。
「この問題はエネルギー資源問題というより主権の問題であり、極めて危険だ」としている。
報告書によると、研究チームのメンバーが日中米3国の政策決定者にふんし、日中の艦船衝突を想定した
机上シミュレーションを実施した。その結果、「(紛争)拡大のリスクが十分ある」ことが分かったという。
報告書は「米政府は日中に対して、軍・防衛当局間のより良好な関係構築を目指すよう働き掛けるべきだ」と勧告した。
特に中国海軍、日本の海上保安当局の絡む海上事故処理に関する協定締結が有益だとしている。
さらに、「米国は将来の危機発生の可能性に備えなければならず、危機の際に日本が米国にどのような対応を求めるかを理解し、
それに応える用意を整えなければならない」と指摘。
紛争発生時の仲裁などを念頭に対応を検討する必要性を訴えている。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200705300001a.nwc