【北京=野口東秀】
中国の地方の共産党・政府幹部の間で、大型プロジェクト決定や自身の出世の岐路に立った場合、
家や家具の配置、色彩などで運を呼び込むという「風水」に頼る傾向が強まっている。
また人相見などの占いにもはまる幹部も多いという。党理論誌「求是」はこのほど、
「一部党員、幹部の中には党に対する精神が揺らぎ、マルクス・レーニンを信じず鬼神を信じている」と批判した。
風水師として有名な檀明山氏(60)によると、最近「風水」関係の出版が困難になっているという。
檀氏は一昨年「風水100忌」など2冊の本を出版したが、
その後は新しい本を出版しようとしても十数の出版社から「封建、迷信。
社会に良い影響を与えない」などと言われ、断られているという。檀氏は「今年は厳しい」と嘆いている。
檀氏はこれまで、一般家庭や企業だけでなく、政府幹部の執務室に呼ばれたこともある。
風水師への礼金は一般家庭は3000元(1元約15円)から5000元、企業ではその10倍という。
中国紙「南方週末」によると、河北省国税局の元局長は風水師から
「5年以内に大出世する」と言われ、8000元を支払ったという。
ただ、役所などの幹部が業者に風水占いの謝礼を支払わせるケースもあり、こうした行為は賄賂にあたるとする指摘も。
役所や国有企業が絡むと謝礼も跳ね上がり、年10万〜20万元、多い場合、100万元になることもある。
風水業界ではある大型国有企業が倒産の危機に瀕した時、風水師のアドバイスで、ある人物と出会い、
10億元の融資を受けることに成功、風水師は1000万元の謝礼を獲得したという話が語られている。
続く
http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070526/chn070526002.htm