花火シーズンが近づき、東三河の花火製造所では忙しさが増している。打ち上げ花火で県内最大手
の豊橋煙火(豊橋市石巻平野町)でも、職人たちが夜空を彩る大輪を心に思い描きながらの作業が続く。
豊橋煙火では、光る部分の火薬「星」を冬の間に作りためた。
星を、紙でできた半円形の器の内側にすき間なく並べ、星を飛ばすための割り火薬を詰める。必要に
応じて、その内側に別の色の星の火薬を詰めることもある。火薬詰めが終わると、ハトロン紙を張る作業
に移る。うまく玉が割れて計算通りに火薬が飛ぶよう、玉の大きさや火薬の量に合わせて張る枚数を変え、
強度を調節する。大きな玉は二十回にわたり、球状を崩さないよう均等に紙を張り付けては乾燥させる。
大きさは約六センチの二号から約三十センチの尺玉までそろう。雪から顔を出す花をイメージした
「雪割の華」、緑と青で地球を表現した「ラブアース」など、最近人気があるという創作花火も。
十年の経験がある加藤和義さん(31)=同市牧野町=は「花火がうまく開いて、お客さんが拍手して
くれるのが何よりの励み」と話しながら、手際よく火薬を詰めていた。同社は今シーズン、五万発を製造。
これらの花火は豊橋市の祇園祭、新城市の納涼花火大会をはじめ、浜松市三ケ日町や東海市の花火
大会などで打ち上げられる。
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20070526/CK2007052602019035.html