「医療費抑制は限界」予防重視へ転換図る 厚労白書案
07年の「厚生労働白書」の骨子案が23日、明らかになった。「医療構造改革」をテーマに掲げ、
少子高齢化の進展に伴い、ベッド数の抑制や患者の自己負担の引き上げなど従来の医療費
抑制策は限界に達していると指摘。生活習慣病対策など「予防重視」に政策を転換し、予防から
終末期に至るまでの総合的なビジョンを作成し、医療費適正化を目指す。
白書は今夏までにまとめ、公表する。骨子案では、現状の問題点として(1)地域や診療科ごと
の医師の偏在に伴い、急性期医療が弱体化(2)医療に関する情報不足(3)時間外や夜間、
休日診療の不足(4)健康状態を総合的に診察する医師の不足――を挙げた。
医療構造改革の目指す方向として、入院から在宅まで切れ目のない医療の提供や、開業医に
時間外診療を求めるなど医療機関の役割分担の推進、個人の健康情報のIT化などが必要と
している。1人あたりの医療費で1.5〜2倍、生活習慣病の受診率で2倍近くに達するなど都道
府県間で生じている「医療格差」の要因についても、都道府県をいくつかのグループに分けて
本格的に分析。各地域が特性に合った有効な対策を打ち出す必要性があるとした。
http://www.asahi.com/politics/update/0524/TKY200705230393.html