北電にダム使用停止命令 発電所無許可工事で国交省
国土交通省は十六日、手取川水系の中宮発電所(石川県白山市、出力三千キロワット)など
三水力発電所で無許可工事を行っていた北陸電力に対し、河川法に基づき、施設の改築とダム
使用停止などを命じる行政処分をした。併せて再発防止策として、一カ月以内に、社内の責任の
所在が明確になる体制を構築するよう命じた。
須野原豊北陸地方整備局長が新潟市の同局に永原功北電社長を呼び、命令書を交付した。
須野原局長は「不適切な事案が起きたことは遺憾。法令順守の意識や社内の確認体制が不十分
だったことが原因にある。再発防止策を徹底してほしい」と求めた。永原社長は「処分を真しに受け
止め、再発防止策に取り組む」と述べた。
行政処分の対象は、中宮発電所と常願寺川水系の中地山発電所(富山市中地山・大山、同二千四百
キロワット)、手取川水系の市ノ瀬発電所(石川県白山市、同六千二百キロワット)。いずれもダムを
無許可で補修した際、管理橋橋脚の根本部分を太くしたり、堤をかさ上げし、安定性に問題が出ている。
国交省は三発電所に対し、施設改築と改築が完了するまでダムの使用停止を命じたほか、施設規模が
大きい中宮ダムについては、今後十年間を検証期間とし、第三者による点検を行う。
また、再発防止策として、社内の責任体制の明確化とともに▽河川法令の順守意識を徹底させる研修
計画の策定▽河川法手続きに関する事前相談の徹底▽外部専門家を含め再発防止策の実施状況を
自己点検し定期的に報告―の四項目の措置を命じた。
国交省は電力会社十社の計九百五十九カ所で、何らかの不正があったとみている。北電の三カ所を
含め、東京電力など特に悪質と判断した七社の計十五カ所には、発電所ごとに施設の改築などを命じた。
http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20070517/4802.html