10日午後11時ごろ、大分県日田市天瀬町女子(おなご)畑(はた)の居酒屋駐車場で、客の男が、
乗ってきた大型トラック(10トン)をバックさせ、同店の壁と、隣接するスーパーのガラス壁を
壊して逃走した。トラックは、同市から約50キロ離れた同県別府市まで、対向車約20台に
接触しながら約3時間にわたり暴走。県警は緊急配備を敷き、タイヤをパンクさせる器具で停車
させて男を建造物損壊の現行犯で逮捕した。酒に酔っており、道交法違反(酒気帯び運転)
容疑でも追及している。けが人はなかった。
調べによると、男は宮崎県都農町川北、トラック運転手長友福富容疑者(45)。
長友容疑者はこの日、福岡県朝倉市で牛の飼料を積んで宮崎県に向かう途中、この居酒屋で焼酎5杯、
瓶ビール1本を飲んだ後、店員と口論になり、代金3800円を払わずに店を出た。店からの
110番で、県警日田署がパトカーを急行させたが、到着とほぼ同時に長友容疑者がトラックを
店舗にぶつけて逃走した。
トラックは国道210号線や県道の信号を無視しながら逃走。日田市から、玖珠町、九重町、
由布市を経由して別府市に入った。県警は、パトカー計約10台で追跡するとともに、逃走方面に
緊急配備。別府市の県道で待ちかまえた警察官が、鋭利な金属の突起が付いた板を置いてトラックを
止め、トラックの窓ガラスを割って長友容疑者を捕らえた。
逮捕時、長友容疑者にアルコール検知したところ、酒気帯び運転の基準となる呼気1リットル中
0・15ミリ・グラムを上回る同0・25ミリ・グラムを検出した。県警によると、長友容疑者は
居酒屋を出る前、勤務する運送会社側と携帯電話で話し、「腰を痛めないような運転席に替えてくれ」
と声を荒らげていた。
居酒屋の経営者によると、店を出る際、店員が「仮眠をとって運転してくれ」と求めたが、「迷惑を
かけてやる」と言って乗車したという。長友容疑者は調べに対し、「食べ終わる前に、閉店だから
と店を出るよう言われて頭にきた。勤務先への不満もあった」と供述している。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_07051151.htm