アムステルダム――欧州大手、KLMオランダ航空は8日、第二次世界大戦後、
ナチスドイツの逃亡者を南米アルゼンチンへ輸送していたとのメディア報道を受け、
事実確認のため外部調査の依頼を検討していることを明らかにした。
オランダのテレビ局が最近、同航空が戦後、ナチス戦犯らの逃亡に積極関与していたことを示す
歴史文書を基にドキュメンタリーを作成、放映したことを受けた措置。
KLMは独自の内部調査を実施したが、該当する戦後直後の文書は発見出来なかったと指摘しながら、
逃亡ほう助の可能性は否定出来ないとの見方を示していた。
KLMの報道担当は「過去の行動についても責任を持つのが企業のあるべき姿だ」と語っている。
アルゼンチンには、ユダヤ人虐殺を謀議したナチス将校のアイヒマンら戦犯が偽名を使い逃亡したことが分かっている。
同テレビ局によると、歴史文書はスイス、米国、アルゼンチンやオランダで発掘したと主張。
KLMは、正規の出入国文書を持たない戦犯らをスイス経由でアルゼンチンへ運ぶ手伝いをしていたなどと述べている。
オランダでは、ナチスドイツの占領統治へのオランダ当局の協力の是非をめぐる論議が依然くすぶっている。国鉄は昨年、
数千人規模のユダヤ人をナチスの強制収容所へ輸送したことで謝罪している。
KLMオランダ空港は、エールフランス・グループの傘下にある。
2007.05.09 Web posted at: 17:16 JST - CNN/REUTERS
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