テレビのどこが問題か──「あるある」外部調査委員に聞いた(上)
例えば、あるバラエティー番組があっても誰が作ったかわからない。テレビ局が
つくったものはほとんどありません。テレビ局本体のプロデューサーは30代、40代
前半ですが、何をやっているかというと、プロダクション管理をやる。自分で番組を
作った経験はゼロではないかもしれないけれども、入社後数年間、結局プロダクションと
一緒にやっただけ。あとは基本的にプロダクション管理です。お金の管理から始まって、
納期が正しいかの工程管理をする。
一方、下請けのプロダクションの側はお金を貰って、実際に作っているけれども、
お金は、今回の「あるある」はテレワークからの支払いが、なんと75日後ですよ。
下請法という法律には、60日以内に支払わなければいけないと書いてあります。です
から75日は法律違反です。
「協業」という名の上下関係
こういう状態で、2次下請けはお金がないから、無駄弾は撃てないわけです。最低限で
やる。だって、花王から電通に1億円支払われるのに、制作現場にいくと800万円に
なってしまう。少なくとも「納豆でやります」と決まった瞬間に、3分の1は渡すべき
だし、番組制作が半分進んだところで、もう3分の1、放送したところで3分の1を渡す
べきです。常識的には。
だから、非常に前近代的で、協業者同士がパートナーではないわけです。例えば、新聞
が城山三郎さんに原稿を頼む。城山さんがご自分の名前で書くわけです。それはお互いに
パートナーの関係ですよ。
ところが、テレビ局と1次下請、2次下請はパートナー関係ではなく、前近代的な上下
関係です。なぜこんなことが起きるかというと、テレビ局同士で競争がないからです。これ
だけ新しそうなメディア業界は、構造自体が非常に前近代的なのです。
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070421/10350