拉致2児の父、別の工作組織も運営
北朝鮮による2児拉致容疑事件で、工作員の活動拠点だったとされる貿易会社
「ユニバース・トレイディング」(東京都品川区、既に解散)のほかに、別の工作組織が
存在した疑いのあることが、警視庁公安部などの調べでわかった。
この組織は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)への協力者を管理することを
担当していたという。同庁などは、当時の北朝鮮工作員が日本で行っていた
工作活動について、全容解明を目指す考えだ。
同庁などによると、この組織は「コロナ」と呼ばれ、東京都渋谷区内に拠点を
置いていたという。ユニ社の設立を主導した当時の朝鮮総連の第1副議長が、
コロナも運営。直接の組織管理を任されていたのは、拉致された2児の父親で、
殺害された疑いが強い渡辺秀子さん(当時32)の夫だったとされる。
コロナには朝鮮大学校の出身者7〜8人が所属。朝鮮総連への協力者を管理したり、
第1副議長が日本政界の関係者らと会う時に付き添ったりしていたという。渡辺さんの
夫は73年6月に北朝鮮に渡るまで、コロナとユニ社の両方の管理を任される立場に
あった模様だ。
同庁などによると、コロナとユニ社の二つの組織は、出身学校などで区別されていた
らしいという。コロナは朝鮮大学校の出身者の中から選ばれ、ユニ社には朝鮮高級学校
の出身者や25日に家宅捜索を受けた「在日本朝鮮留学生同盟(留学同)」から
選抜されていたという。ユニ社に所属し、2児拉致容疑事件の実行役とされる女(55)や、
その夫(58)は留学同の出身だった。
つづき
http://www.asahi.com/national/update/0425/TKY200704250215.html