米ラスベガス(ネバダ州)のホテル王が来週にも、世界初となる民間版国際宇宙ステーション(ISS)建設に向け小型の原型宇宙船を打ち上げる。
ISSで宇宙飛行士を大量養成し、宇宙でホテルビジネスを始める計画だ。
民間版ISSは2013年にも完成する予定で、個人向けの商業宇宙ビジネスの幕開けが視野に入った。
宇宙ホテル事業を計画しているのは、ラスベガスのホテルチェーン「バジェット・スィート」を展開する富豪、ロバート・ビゲロー氏。
1999年に米航空宇宙局(NASA)などと提携し、商業宇宙事業を行う「ビゲロー・エアロスペース」を設立した。
同社の発表によると、来週、同社が開発した試験用宇宙船「ジェネシスII」を露オレンブルク地域にある同国の宇宙関連企業、
ISCコスモトラスの宇宙基地からドニエプルロケットで打ち上げる。
ジェネシスIIは、NASAの設計によるもので、長さ4・4メートル、打ち上げ時の直径は1・9メートルだが、
軌道に乗ると直径が2・54メートルに膨らむ風船構造を持つ。
外壁は水を充填(じゅうてん)した柔らかい構造で、長期間使用した場合の耐久性なども調べる。
各種センサーをはじめ、実用宇宙船に必要とされるさまざまな機器を搭載。
これらの機器のほか、サソリや、ペットとして人気があるマダガスカルゴキブリ、アリの巣なども搭載し、宇宙空間での生態をネットで公開する。
米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、ジェネシスIIの約3倍の大きさを持つ居住用の宇宙船「サンダンサー」もすでに開発中で10年末に完成する。
350キロの地球の周回軌道に乗せたサンダンサーをいくつも連結することで、最終的に90メートル四方のISSとする構想だ。
ISSには居住空間だけでなく、さまざまな施設を備える。13年までに1基、17年までに3基のISSをそれぞれ建設する。
(後略)
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200704140016a.nwc