「モンゴルに野球を根付かせたい」−。元新潟県高校野球連盟理事長の笹川興司さんが、
野球では発展途上のモンゴルの少年たちを指導しようと地道な活動を続けている。
数年前、大阪でのアジア3A大会に参加したモンゴル代表の試合がきっかけだった。
1イニングに20点以上も取られる惨たんたる内容を聞いた笹川さんは黙っていられず、野球指導を決意した。
3年前に初めてウランバートルの球場を訪れた際、「外野は草ぼうぼうで、野球ができる環境ではなかった」と驚いたという。
6歳から25歳までの40人が集まり、グラウンド整備から始めた。
まずは時間通りに集合させ、次に整列の仕方など基本的な指導を徹底。
「おおらかなお国柄で、時間通りに来ない。まず、そこから注意しなければならなかった」という。
昨年まで毎年指導に訪れているが、教え子たちの顔触れが毎回違うため戸惑った。
「それでも、前回教えた子が、別の小さい子に野球を教えていたと聞いた」と、
モンゴルの野球文化が少しずつ定着していくことへの期待が膨らんだという。
初めてボールに触れる子供もいれば、運動神経抜群で、日本の高校で活躍できそうな逸材も。
笹川さんは「この調子なら5年後ぐらいに日本の高校生と互角に渡り合えるかも。
そして日本からの援助でなく、モンゴルが国として支援していけば、野球文化も定着するはず」と、明るい希望を抱いている。
そーす
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