焼きソバの美味さは異常です
「食べた瞬間、えーっ? これなに?って声が出た」。キムチと焼きそばの
組み合わせが当時は衝撃だった。「これを食わずに死ぬな!と世界に
言ってしまう味なんです」
辛過ぎないあっさりしたキムチを使い、ソースでなくしょうゆで味付け。
斬新なのに飽きないのは店主の「おっちゃん」、布江田勝晤(ふえだ・
かつあき)さん(70)の持論通り。「料理は『基本』2割の安心感と
『流行』6割、『驚き』2割ですよ」
数々のオリジナル料理が人気。モヤシと豚バラを蒸してポン酢で食べる
「豚モヤシ」、モチとチーズ入りの「モーチーズ焼き」、温かいサツマイモに
アイスを添えた「いもっ子アイス」……。「手が込んでるというより発明、
発見に近い」と松村さん。
すぐには食べられないほど熱々なのもポイントだ。何しろ厚さ2ミリ近い
鉄板は、開店から閉店まで火力全開。汗だくで焼き続けるおっちゃんに
よれば「料理の神髄は愛と汗」だから。看板に書き添えられた「○△□」は
宇宙を表すという。「和洋中すべてのうまい食材は、焼いてもうまいねん!」と
いう決意表明なのだという。
「初めての人に『これ、どうや?』って、相手が目を丸くしてパクつく顔を
見るのが楽しいんよねえ」と松村さん。ゴンチチが映画「無能の人」の
サントラを手がけたのは、ここで竹中直人監督に会ったのがきっかけだった。
心がこもったうまいもんへの感激は、初対面の距離を一気に縮めるのだ。
ttp://www.asahi.com/kansai/taberu/umaimon/OSK200703260100.html