日光市山内の日光山輪王寺三仏堂で二日、“日光責め”とも呼ばれる強飯(ごうはん)式が行われ、
詰めかけた観光客らが古式ゆかしい伝統の儀式を見守った。
式は、山伏が吹き鳴らす勇壮なほら貝が響く中、紋服・かみしも姿の強飯頂戴人(ちょうだいにん)たちが
神妙な表情で着席。頂戴人らは山伏姿の僧から大杯の御神酒(おみき)を受けて飲み干した後、
山盛り(三升)飯を頭上に乗せられ、ひれ伏した。山伏が「三社権現より賜るところの御供(ごくう)じゃ。
残さず食べろ」と責め立て、観光客たちも息をのんで見守っていた。
頂戴人や、山伏たちは式後、堂外の参拝客に向けて縁起物をまく「がらまき」を行い、福運を授けた。
強飯式は、奈良時代に勝道上人が日光を開山して以来、山伏の入峰行(にゅうぶぎょう)が盛んになり、
行場(ぎょうば)の本尊に供えた御供を持ち帰って人々に分け与えたのが始まり。
その後、日光三社権現の信仰と結びつき、江戸時代に日光参拝の諸国大名の
おごりを戒める要素も加わったとされる。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tochigi/20070403/CK2007040302005642.html