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土星の衛星・エンセラダスに生命存在か…NASA

【ワシントン=増満浩志】米航空宇宙局(NASA)は12日、水の存在が確認されている土星の衛星
エンセラダスについて、「内部に放射性物質があり、これが熱を発し続けている」との見解を発表した。

これにより、地下に熱水が存在する可能性が高まり、NASA研究チームの研究者は「生命に適した
場所が存在する証拠をつかんだことになるのではないか」としている。

エンセラダスの表面は氷点下約200度だが、地球の南極にあたる部分で火山のように水蒸気が噴出
しているのが、米探査機カッシーニによるこれまでの観測で昨年確認されている。その後の分析で、
水蒸気に窒素ガスが混じっていることが新たに判明。この窒素ガスは、アンモニアが熱分解したもの
とみられることから、外部の研究者も加わったNASAの研究チームは「地中に高温高圧の場所があり、
熱水の中で有機物が豊富に合成されたはずだ」と結論づけた。

アンモニアの熱分解にはかなりの高温が必要なことから、この熱源について研究チームは、
〈1〉放射性のアルミニウムと鉄が700万年余で急速に崩壊し、衛星内部が熱くなった
〈2〉その余熱とともに、他の放射性物質の緩やかな崩壊が今も続いている――とみている。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070313i503.htm