ガンダムの世界 読み解く美術展
2007/03/11
今なお根強い人気を誇るSFアニメの名作「機動戦士ガンダム」(一九七九-八〇年放映)を基にした美術展
「ガンダム-来たるべき未来のために」が、京都市中京区の京都国際マンガミュージアムで開催中だ。
同アニメの重要な主題となった「戦争」や「進化」「生命」をキーワードに、若手美術家や漫画家らが絵画、映像などを制作。
その物語世界をより深く読み解こうという試みだ。(堀井正純)
アニメの舞台は、地球に連邦政府が樹立される一方で、人類が太陽系各地へと進出した未来世界。
宇宙育ちの開拓者らと地球永住者との間には差別や対立が生じ、やがて宇宙に建造された人工都市の一つが連邦政府に対し独立戦争を挑む。
描かれたのは、旧来のロボットアニメにありがちな勧善懲悪の単純な物語ではなく、主人公の少年兵アムロの成長と、彼が目にした矛盾だらけの戦争の現実だ。
本展覧会でも、見応えがあるのは、「戦争」をテーマにした諸作品。中でも印象深いのが、会田誠の「ザク(戦争画RETURNS番外編)」だ。
太平洋戦争中に描かれた藤田嗣治らの戦争画を下敷きに、未来の戦場の死闘を画面いっぱいに重厚に描写。
ロボット型の量産兵器の“群像図”によって、死と破壊に覆われた戦争の現実を見つめる。
劇的な構成による暗澹(あんたん)とした地獄絵だが、漂う悲愁に、名も無き兵士たちへの鎮魂図の意図も感じる。
兵士らは「誰のため、何のため戦っているのか」。その問いは、少年兵アムロが抱いた疑問でもあっただろう。
小谷元彦の写真作品「胸いっぱいの愛を」も、荒涼たる戦野に、兵士の遺体やドクロを積み重ね、
戦争が生み出す「死」の側面を強調。その厭戦(えんせん)的な表現の一方、画面中央に軍服姿の美女を“死の女神”のように象徴的に配し、
死とエロスの甘美な誘惑も暗示している。
二十五日まで。水曜休館。TEL075・254・7414
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000267471.shtml 会田誠って切腹女子高生の人だろ おもしろそう!